能楽 謡曲教室 迦謡会

「能」248曲・流儀間共通採用状況　1/2
「能楽」外縁観測1で、「能」の現行曲は特殊な希曲を除くと、5流で248曲あることが分かりました。
これらの曲は、5流でどのように共通して採用されているのでしょうか。流儀間で特殊な関係などがあるのでしょうか。グラフなどで見ることとします。

　全248曲のうち、6割近い146曲が5流の全部で共通して採用されており、3流以上で共通採用の曲は、全体の8割近い192曲にのぼります。
　2流での共通採用は17曲で、1割以下にとどまっています。そして、流儀独自曲は、5流を合わせて38曲しかありません。
　「能」の現行曲は、流儀の垣根を超えて、共通に採用されている曲が非常に多いと言えるでしょう。

　共通採用状況を示す具体的な曲名は、次のシリーズ3で掲載します。

この流儀別曲数グラフからは、5流共通で採用の146曲を除いて、他流との共通採用曲に流儀の独自曲を合わせた数は、観世65・金剛58・喜多57曲となっていることが分かります。
これに比べ、金春は23・宝生35曲と少ない数になっています。特に金春は3流で採用の曲が3曲で、宝生も2流で採用の曲が3曲、宝生独自曲が2曲と少ないのが目立ちます。　

外縁2　248曲・5流の共通採用の状況　2/2　へ続く

次の項目など、引き続き「能楽外縁観測第1部」をご覧になる場合は「謡曲の統計1」から進んで下さい。