その他 能楽外縁観測第3部-6-1 古書に見る 「謡曲十五徳」等 1/3
2022-02-16
第3部-2「謡曲十五徳」等の種類と提唱者の表で示した、300~100年前の古書の9件について、書写(又は刊行)年代・資料元・名称・筆者又は刊行者・提唱者・特徴・内容などをまとめて紹介します。(①を基準として相違部分を太字で示しました。)
ブログの画面構成の関係から、6-1、6-2、6-3に分けて掲載します。
①1700年頃
観世文庫 紫野大心筆
「謡十五徳・謡徳十利」
細川三斎と小堀遠州作2段書きの十五徳に十利を併記(第3部-1参照)
聞国楽之謡得十利
(他に類例がない。)
一 六藝第二国楽國人 不可不知
二 神男女鬼四霊 能次第為蹈舞
三 王公卿大夫等 聞謡座知名跡
四 貴賤僧俗之人 聞謡知有仏法
五 有不知仏法人 聞謡頗知因果
六 日本学多在謡 聞謡者知其事
七 有不詠和歌者 聞謡知敷嶋道
八 謡雑歌舞唱伎 文句禅教律部
九 今稱能大夫音 能達国楽藝能
十 闕金石絲等音 笛鼓大鼓音調
②江戸中期頃か
野上記念法政大学能楽研究所
伊達家旧蔵能楽資料デジタルアーカイブ
「謳徳十二條」
筆者不明、提唱者記載なし、
「而」の文字なし。
(太字は①と異なる所〈以下同様〉)
①から欠けたもの
「知音・美人・武芸・形美」
③1759年初版「謡有十徳」
遅生の故玩館ブログ
(能楽資料13―江戸の小謡集2「下掛諷酒宴小諷大成」2020年10月13日)
宝暦9年(1759年)谷口七左衛門
寛政7年(1795年)再版
書林 此村欽英堂
2頁にわたる曲名目録の上部に絵図があり、そこに漢字ひらがな混じりの「十徳」が配されている。
①から欠けたもの 「知音・花月・座上・古事・美人・武芸・戦場・形美」
次の項目など、引き続き「能楽外縁観測第3部」をご覧になる場合は「謡曲の統計3」から進んで下さい。