その他 新型コロナ感染状況 7.日本の感染状況
2023-05-17
今度は日本国内の昨年からの感染状況です。
全国・東京都・新潟県・新潟市を比較できるグラフにしました。
最初は感染者数の推移で、2022年7月から2023年5月の期間です。
グラフから次の事が分かります。
①昨夏の第7波より、今冬の第8波は感染者数が少ない。
②第7波は、人口あたりで見ると東京が多くて地方が少ないが、第8波は地方がやや多い。
③昨夏は東京から急激に増加したが、今冬は全国平均より早く新潟などの地方から緩やかに増加した。
④第8波はピーク期間が長くなり、一旦ピークアウトした後にまた増加している。これは、医療機関の正月休みが影響しているようだ。
⑤2月上旬ころにはほぼ収束の局面となったが、その後も低空飛行で感染者の発生は続いている。
では次に、3月以降に限った最近の感染状況をグラフで示します。
グラフで分かるように、最近の感染状況は低い水準とは言え、微増の傾向にあります。
5/9以後は、感染者数の集計・公表が行われませんので実態が把握できなくなります。厚労省は代替策を検討しているようですが、即時性に欠ける恐れは否定できません。感染経験者の割合が27%と少ない日本は、集団免疫力が弱く、ウイルスの変異等で再び大流行となる懸念があります。引き続き関心を持って日常を過ごしたいところです。
最後に、死者数の推移をグラフで示します。
このグラフから分かることは次のとおりです。
①感染者グラフと違い、第7波より第8波の死者が多い。統計上は致死率が上がったことになります。3年の経験から治療水準も向上し、致死率は下がっていると考えるのが普通です。そうなっていないのは、感染者の把握が不十分になっているからと思われます。実際、自分で検査して感染を確認しても保健機関へ報告しない例が多くありました。完全なデータ収集が困難になったことも、感染や死亡者数の公表を止めた要因になったようです。
②第8波の死者数は、人口あたりでみると明らかに東京より地方が多いが、新潟はやや少ない水準で推移した。
以上で国内の感染状況グラフを終了します。
5月8日から新型コロナ感染症は、流行性インフルエンザ並みの感染症の第5類に移行しましたが、最近の日本は世界のなかで感染者数の多い国のトップであり、高齢者や基礎疾患のある人には充分な感染予防対策が望まれます。周囲の人もこうした方々への配慮が欠かせません。
皆さんのご健勝をお祈りして、このシリーズを終わりとします。
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