その他 第6部-5 江戸初期の曲別演能回数
2024-04-14
では、おそらく本邦初公開となる江戸初期での曲別演能回数を50音順の一覧表で一気に掲載します。全163曲・4760回の内訳となります。(本節の記述や表及び凡例は、各期間での演能頻度等を表すように2024.6/27に修正しました。)
凡例等
①:1590~1605の16年間・119曲・627回:秀吉・家康期
②:1605~1623の19年間・141曲・1462回:秀忠期
③:1623~1651の29年間・138曲・2155回:家光期
④:1651~1668の15年間・105曲・516回:家綱前期
計:1509~1668の79年間・163曲・4760回:江戸初期
緑色はその期間で他の曲より頻繁に演じられたAランク曲、青色は良く演じられたBランク曲を示しています。ランクの基準は表の後で示します。(単なる演能回数だけではその期間で他の曲より多く演じられた曲なのか、などが分かりませんので、多く演じられたことを色付けして示したものです。)
ゴシックの曲名は現行観世流で習い物の曲です(他流でも大切にされています)。
曲名の黄色塗りは、観世流謡本で百番集の所収曲(昔の内百番に相当し、続百番集所収ではない曲)です。



A・Bの基準は、現代で頻繁に演じられた曲として60年間で600回以上演能の45曲が、演能回数調査対象207曲の22%だったので、各期間の演能回数上位22%をAの緑色とし、60年間で240~599回演能の58曲を良く演じられた曲のBとしてきた28%(各期間の演能回数上位23~50%の曲)をBの青色としました。
各期間別のA・B線引き基準は次のとおりです。
①:A= 8~18回・28曲・22%、B=4~7回・32曲・27%
②:A=18~39回・29曲・21%、B=7~17回・39曲・28%
③:A=25~67回・28曲・20%、B=11~24回・30%
④:A= 7~18回・26曲・25%、B=4~6回・21曲・20%
計:A=49~126回・36曲・22%、B=17~48回・27%
なお、分類境界となる演能回数に多くの曲が並ぶ場合、設定した構成比から少し外れるところが出てきますが、妥当と思われる番数を色付けの境界線としました。
次回からしばらくは上のデータを元に、江戸初期と現代を曲別で比較したグラフを10日ごとに順次掲載することとします。
次回は、2024.4/25に第6部-6「江戸初期と現代の曲別演能頻度」を掲載する予定です。
引き続き第6部をご覧になる場合は「謡曲の統計6」から進んでください。