ブログ

その他 第8部-9 グラフで見る江戸勧進能1/2

2025-09-07

これまで江戸時代の勧進能番組20件を見てきました。今回はその全体を様々な切り口からグラフで示してみます。時期の区分等は次のとおりとしました。
・初 期:1607~1688= 82年・ 8件・ 34日・ 274番
・中後期:1702~1816=115年・ 4件・ 40日・ 276番
・幕 末:1830~1855= 26年・ 8件・ 76日・ 499番
・全 体:1607~1855=223年・20件・150日・1049番
265年も続いた江戸時代の勧進能を僅か20件の番組資料から何が分かるかという部分もありますが、年代も広く分散し、全体で150日・1049番の演能データですから、当たらずとも遠からずの指摘は出来ると思います。(注:1816年の勧進能は番組変更が5番あり、曲目の傾向を分析する主旨から変更前の曲も番数に加えています。)

最初は時期別の、件数・日数・番数のグラフです。
勧進能の一覧を示した時も江戸時代初期と末期に多く行われ、中期は少なかったと記しましたが、番組の把握できた20件でも同じ傾向が見られます。初期には4日興行が多く、中期から6日興行が始まり、一世一代能が15日になるなど、特に末期は日数が多くなり、番数も多くなっています。

次に、次期別の勧進能の年間平均日数を示します。
江戸初期から中・後期までは年間平均で0.5日(2年で1日)に満たない開催ですが、末期の26年間は10倍近くになって毎年3日ほどは勧進能が催されていたことが分かります。江戸通期では0.7日(3年で2日)程度になっています。

次のグラフは1日あたりの演能番数です。能と能の間に演じられた狂言の番数は数えていません。
江戸初期では「翁」を含め1日に10番も演じる場合があり、平均で8番になっています。中期からは「翁」に続けて5番が標準(1日で6番)となり、世阿弥の構想した「序破急」が実践されています。しかし、時々8番の興行があるようになり、一世一代能の15日(3件のみ)や例外的な25日行事があったりして、江戸時代は平均で7番/日となっています。

次回は2025.9/30に第8部-10「グラフで見る江戸勧進能2/2」を掲載する予定です。

引き続き第8部をご覧になる場合は「謡曲の統計8」から進んでください。

受付時間

通年 AM9:00~PM5:00