その他 「能楽」外縁観測 第2部-1 能作者に関わること
2021-03-24
始めに室町期の作者付けに基づく作者構成のグラフを示します。
このグラフは、室町後期の1524年(戦国時代)に編纂された「能本作者注文」による作者別の曲数を元にしています。
圧倒的に世阿弥作が多く、全体の半分近くを占めようかという勢いです。2番手の観世信光の5倍の作品数となっています。
さらに、5曲以上を作った作者は、僅かに5名しかいないことを示しています。それが、世阿弥、観世信光、観世長俊、金春禅竹、金春禅鳳です。
また、全体の3分の1が、5曲未満の作者又は作者不明の曲となっています。世阿弥没から80年後の時点で、作者不明の多さに驚きます。著作権などのなかった昔のこととはいえ、戦争による混乱が影を落としているようです。
それにしても全体で350曲というのは、現行248曲に比べても多いことに注意を引きます。
(「能本作者注文」と登場した能作者については、別途に掲載します。)
この「能本作者注文」の記述は正確なのか、能の作者は本当に数名程度なのか、その活躍時期はどうなっているのか、各曲はいつ頃に成立したのか、全体の曲数はいくつあるのか、現行曲との関係は?、などと興味深い疑問が湧いてきます。
外縁観測第2部では、これらについて掲載します。
次の項目など、引き続き「能楽外縁観測第2部」をご覧になる場合は「謡曲の統計2」から進んで下さい。