外縁観測第2部-5「能作者の活躍時代」で、当時の作者16名について生没年等を掲げましたが、それ以外で登場した作者について紹介しておきます。ゴシックの曲名は現代人気130位以内の曲です。
観世元章(もとあきら):
1722~1774年。観世15世。徳川9代家重・10代家治両将軍の能指南役。「明和改正謡本」を刊行(没後に廃される)。世阿弥伝書等の収集や、小書き演出の工夫等は現在の能に影響を与えている。「梅」の作者。
金春信高:1920~2010年。
金春79世。「雲林院・大原御幸・姨捨(伯母捨)・砧・恋重荷・胡蝶・鷺・実方・正尊・木賊・長柄・檜垣・求塚・巻絹」の14曲を金春流の現行曲に組み入れた。「佐渡」の作者。
金剛長頼:1700年没。享年39才。
15世金剛又兵衛勝長とも。「内外詣」作者。
前田斉泰(なりやす):
1851年に「雷電」を宝生流「来殿」(金剛流では「妻戸」)に改作。
竹田法印定盛:1422~1508年。
足利義政将軍の侍医。「善界」作詞者。
観世左近元滋:1895~1939年。
観世24世。「大典」作曲者。
観世清廉(きよかど):
1867~1911年。観世23世。「楠露」改作者。
佐阿弥:生没年不詳。
室町期能作者。金春系人物か。「殺生石」作者か。
越前の飛大夫:
金春家の弟子か。詳細不明。「望月」作者か。
井阿弥:生没年不詳。
室町期能作者。「通盛」原作者。「二人静」原作かも。
観世本能:1395年頃生か
(世阿弥60才は応永29年で、本能は30才未満だった、から推定)。世阿弥息男。「世子60以後申楽談義」筆録者。「松尾」作者かも。
観世宗節:1509~1583年。
観世7世。元忠とも。室町幕府衰微後、徳川家康の庇護を受ける。越智観世家(世阿弥の嫡男元雅が祖)伝来の世阿弥伝書や謡本の書写に尽力。「大江山」の作曲者と推定される。
横尾元久:生没年不詳。
横越とも。15世紀前期に活躍した武家歌人。「岩船」「浮舟」作詞者。
藤代禎輔:1868~1927年。
ドイツ文学者。京都大学教授。「大典」作詞者。
宗恕:16世紀に活躍。
詳細不明。「大江山」作詞かも。
参)「第2部-5 能作者の活躍時代」で掲載した16名
観阿弥 世阿弥 元雅 音阿弥 信光 長俊 金春権守 金剛権守 禅竹 禅鳳 喜阿弥 犬王 宮増 増阿弥 榎並 内藤
以上で挙げた以外にも能作者はおりますが、単発的であり、現行曲で複数曲を作った人はいませんので、氏名紹介にとどめます。(廃曲の作者を含んでいます。)
海老名の南阿弥、琳阿弥(玉林)、素眼(素阿・目阿)、一条兼良(かねら)、太田垣能登守忠説(ただとき・日下部とも)、三条西実隆、福来、川上神主、十二次郎、観世元雅の子の十郎、外山(とび・宝生座系)、金春弥次郎禅徳(禅竹の弟)
(ここでの作者名は、前出の岩波講座「能・狂言(能の作品と作者)」から引用)。
次の項目など、引き続き「能楽外縁観測第2部」をご覧になる場合は「謡曲の統計2」から進んで下さい。



